この記事ではCG映画「プリンセスと魔法のキス」について話していきます。
- プリンセスと魔法のキスってどんな話?
- プリンセスと魔法のキスって女の子向けの話でしょ?
- プリンセスと魔法のキスって面白い?
- プリンセスと魔法のキスの原題は?
- プリンセスと魔法のキスの英語の難易度は?
- プリンセスと魔法のキスではどんな英語が学べる?
この記事を読めば以上の疑問が全て解決します。
結論として、プリンセスと魔法のキスは男女問わず万人にお勧めできる名作映画であり、また英語学習にもおすすめです。
タイトルからすると女の子向けのストーリーでしょ?
どっかのお姫様が王子様とのキスを夢見てる、とか。
そう思われがちだけど全然違う。てかプリンセスとかほぼ出てこないし。だからパッケージもミスリーディング。
それにしてもタイトル長いから略したいところだけど難しいね。
そうなのよ。映画の内容からはカエル王子あたりが適正だと思うけど、斬新すぎて諦めた。
なお、私はディズニー長編映画を50作品以上視聴し、またディズニー映画で10年以上英語を勉強し続け、米国弁護士資格を取得しました。
この記事はプリンセスと魔法のキスを見たことない人向けに書いているので、基本的にネタバレなしです。その点はご安心ください。
映画見た人も知らない小ネタとかもあるかもしれないので読んでみて。
プリンセスと魔法のキスの原題は「The Princess and the Frog」
本作の原題は”The Princess and the Frog”です。
ディズニーにしては珍しく長ったらしい原題です。
邦題が長くても原題が短いってのはよくあるもんね。
今回は原題も長い。
このタイトル、開発段階ではThe Frog Princessだったらしいです。
こちらのほうがやや短いですが、いずれにせよタイトルにPrincessが最初から入っていたんですね。
原作のグリム童話はThe Frog Princeだから王子と王女をいれかえたんだね。
PrincessよりPrinceのほうが男女ともにウケは良さそうだけど。
後で詳述しますが、本作は興行的には成功したのですが、ディズニーの期待を上回るほどには至らなかったのです。
で、数年後に開発者の1人が「タイトルがその原因だった」と振り返っているんですね。
タイトルにPrincessが入っていたせいで「女の子向けの映画だな」と思われてしまって、男性が映画館に行かなかったそうなんです。
確かに、男性はPrincessと聞いた瞬間、自分が見てもつまらないだろうと思いそうだもんね。
しかも、開発陣はそのリスクには事前に気づいていたのですが、内容に自信があったのであえてPrincessをとらなかった、というんですね。
相当売れる自信があったのだと思いますが、やはりタイトルは大事だということですね。
原題でもこの調子なのに、邦題ではプリンセスだけでなく「魔法のキス」というガールズ色全開のパワーワードまで加わってるけど。
・・・もう何も言わせるな。
どうせまたタイトルのせいで見るのが10年遅れたとか言うんでしょ。
そう。でも正直男性1人だとレンタルビデオ屋で借りるの少し恥ずかしいレベルだよ。
しかも特筆するべきは、この開発陣がこだわったという「Princess」ですが、なんと作品中プリンセスらしいプリンセスは1人も出てきません。
プリンスなら最初から最後までいるんですけどね。
もっというと、「魔法のキス」もタイトルにするほどストーリーの中心ではありません。
言いたいことは、作品のテーマはプリンセスでも魔法のキスでもない、良い意味でタイトルを裏切っている作品です、ということです。
タイトルはよく考えてつけろ、と言う典型だね。
見る方も、タイトルから勝手に内容を決めつけるのもよくないと言えるけど。
「プリンセスと魔法のキス」あらすじ
このブログでは、作品のあらすじはネタバレしないように最小限にしているよ。
「プリンセスと魔法のキス」感想
Disney Revivalの1作目となる人気作
プリンセスと魔法のキスは2009年公開ですが、2020年の今もまだ続いていると言われるDisney Revivalの最初の作品に位置付けられています。
Disney Revivalというのは、その以前の二度目の黄金期であるDisney Renaissance *後のディズニーの(再)再興にあたる時期をいいます。
*1989-1999。リトル・マーメイドにはじまり、美女と野獣、ライオンキングなどの大ヒット作を連発し、ウォルト・ディズニーの死後20年あまり低迷していたディズニー人気を取り戻した時期。
この作品の後、ディズニーは塔の上のラプンツェルやアナと雪の女王などの記憶に新しいヒット作を連発するんだよね。
この作品の前の約10年間はディズニーのDisney Second Dark Ageと呼ばれるヒット作に恵まれない時期でした。
本作はこのSecond Dark Ageに公開された作品の作風とは異なるDisney Renaissance期の作風を意識して作られた作品です。
具体的には、リトル・マーメイドや美女と野獣にみられるようなブロードウェイミュージカル的演出などですね。
そういえばSecond Dark Ageの作品だと、登場キャラクターが歌い出したりしないね。
当時はミュージカル風演出やおとぎ話をベースにしないピクサーの作品がヒットしていたからディズニーも試行錯誤していたのかも。
この流れはその後のディズニーにもある程度引き継がれていくので、ディズニーは本作の成功でこの「ディズニーらしさ」を取り戻したと言えるでしょう。
ですが、本作はもうひとつ、ディズニーのお家芸であり伝統である「2Dアニメの復興」という目標も掲げていました。
これもおそらくかつてのディズニーらしさを取り戻すためではないかと思います。
ただ、その後CGアニメのラプンツェルの成功により、2Dアニメ自体はこの作品と次のくまのプーさんで終焉となりました。
ちなみに、Disney Renaissanceはリトル・マーメイドから始まったとされていますが、そのリトル・マーメイドの監督と本作は同じ監督です。
このあたりのこだわりにも、ディズニーがこの作品にいかに注力していたか、がわかりますね。
ディズニーがすごいのは、こういう「原点回帰」みたいなのは大抵時代に合ってなくて失敗するのに見事に成功させることだよね。
確かに。でも作品を見れば、単なる原点回帰だけを目指した作品ではないことがよくわかるよ。
自分は他のディズニー作品にあるような超典型のファンタジー設定ではなく、現代のニューオーリンズ(といってもおそらく50年前くらいの設定?)の舞台設定が好きです。
作品の至る所でアメリカ南部独特の雰囲気を感じることができるところも好きで、結構何度も見てしまう作品ですね。
タイトルからは想像もできない独特の性格のヒロイン
プリンセスと魔法のキスは個性的なキャラが多いです。
まず、主人公のティアナはプリンセスではありません(これ重要)。
ポスターとかパッケージからはプリンセスにしか見えないけど。
ニューオーリンズの貧しい家に住み、仕事を頑張りながら自分のお店のための資金を貯めている庶民の娘です。
ティアナは王子様どころか恋愛にも全く興味がありません。
夢は自分の店を持つこと。
ここまで極端なヒロインはディズニー作品でも珍しいのではないでしょうか。
自立しているとかそういうレベルではなく、自分の店を持つ、という夢に向かってひたすら努力する、明確な目標と強い意志を持った女性です。
だからタイトルとの乖離が激しいんだよね。
ところで、ディズニーに出てくるキャラクターは何かしらの問題を抱え、作品を通して自分を振り返り成長する、というのがよくあるパターンです。
例えば?
アナと雪の女王のアナや、美女と野獣のベルが作品を通して真実の愛とは何かに気付く、とか。
ところがティアナの場合はその「問題」が何であるか、がちょっとわかりにくくなっています。
その辺りを考えながら見るのもこの作品の楽しみ方の一つです。
もう1人の主人公であるナヴィーン王子は正反対のお金と恋愛にしか興味のないお調子者の王子です。
ディズニーのプリンスというとキリッとして口数の少ないイケメンが多いので、これも珍しいですかね。
リトル・マーメイドの王子や眠れる森の美女の王子もそんなかんじだよね。
眠れる森の美女のフィリップなんて物語の後半急に無口になる。英語学習視点だと重大な支障があるレベルで何も喋らない。
2人が人間の時もカエルになった後も話はこの2人の関係を中心に進んでいきます。
生まれ育った環境も性格も全く異なる2人がお互いの会話を通して徐々に影響を受け、変わっていく様子が伝わってくるのも本作の特徴ですね。
このあたりはラプンツェルに通じるところもあるかもね。
確かに。自分も両方好きだな。
よくわからない設定の悪役
ところで、本作のDisney Villans(悪役)である魔術師のファシリエですが、性格は典型的なVillansですが、ちょっとその動機が消化不良気味だったかもしれませんね。
ナディーン王子は彼に騙されてカエルになってしまうのですが・・・。
彼がニューオーリンズで一体何をしたかったのか、この作品を何回も見た今もよくわからないところがあります。
確かにこいつがいないと話が成り立たないのは事実なんだが。
個人的に動機が不明なVillansナンバー1。まあマレフィセントもなぜあんなことしたかと言われるとよくわからんけど。
とはいえ、ファシリエのキャラクター自体はブードゥーの呪術師らしい怪しさに満ちた独特の雰囲気で強烈な存在感を放っています。
ジャズを中心とした良い意味でディズニーらしくない音楽
本作は実は名曲揃いです。
なにしろあのリトル・マーメイドの監督となれば、音楽への期待も自然と高まりますよ。
個人的にリトルマーメイドの最大の見せ場はPart of the WorldとUnder the Seaだと思っている。
異論は認めるけど、否定はしない。
そして音楽の担当はピクサーでトイ・ストーリーやカーズなどの音楽を手がけたあのニューマンですからね。
実際の作品もその高い期待を裏切らない、素晴らしい出来です。
特に自分はAlmost Thereが好きですね。
この作品の音楽はもっと評価されていいかなと思います。
映画評論家の評価
アメリカの有名な映画批評サイトであるRotten Tometoesでのスコアは85とかなり高いです。
この作品の完成度なら納得の数字ですね。
(一般的に60%以上で高評価です。)
「プリンセスと魔法のキス」は英語学習に使える?
結論として、本作は英語学習にかなり向いてます。
すごく簡単かというと微妙ですが、ディズニー映画の標準レベルくらいかな、と思います。
主人公のティアナとナヴィーンがよく話す作品ですが、2人とも発音が綺麗で聞き取りやすく、表現も難しくないです。
一方で重要キャラであるホタルのレイはちょっと聞き取りにくいですかね。聞き取れなくてもあまりに気にする必要はないと思います。
あと、ファシリエは全体的に早口ですが、意外と発音が綺麗なので聞き取りやすいと思います。
ティアナの友達のシャーロットもかなり早口ですが聞き取りやすいと思います。でも、あまり話す場面自体が少ないかも。
とはいえシャーロットのキャラはなかなか強烈。
どこか憎めない不思議なキャラでもある。
本編の長さは90分くらいでディズニー作品の中では標準です。
ディズニー作品も昔は80分くらいのが多かったけど、ここ10年くらいは100分くらいが平均になっているかも。
その分ストーリーは見応えがあるけどね。
ディズニー映画を使った具体的な勉強方法はこちらの記事をお読みください。
「プリンセスと魔法のキス」ではどんな英語表現が使われている?
最後に実際に使われているセリフをいくつかご紹介します。
本作ではやはりティアナとナヴィーン王子のやりとりが面白いですね。
James: Hmmh, won’t you wish on that star, sweetheart? – Yes, you wish and you dream with all your little heart. But you remember dear Anawet, that old star can only take you part of a way. You got to help him with some hard work of your own.
Jamesというのはティアナのお父さんです。
Charlotte: Tell her what you did, Big Daddy. Tell her!
Big Daddy: Well, I invited …
Charlotte: Daddy invited the prince to a masquerade ball! Tell her what else you did Big Daddy. Go on.
Big Daddy: And he stay…
Charlotte: And he stay …
Big Daddy: And he stay in our house as my personal guest.
ティアナの友人のシャーロットとそのお父さんのやりとりです。
Tiana: So, what now? I reckon you want a kiss?
Naveen: Kissing would be nice, yes?
バルコニーで見つけたカエルに気まぐれで話しかけたティアナ。
Naveen: Oh, but you must kiss me. Look, besides being unbelievably handsome, I also happened to come from a fabulously wealthy family. Surely, I can offer you some type of reward or a wish I could grant perhaps… Yes?
これカエル状態で人間に話しているセリフです。
Tiana: The only way to get what you want in this world is through hard work.
Naveen: Hard work? Why… why would a princess need to work hard?
Tiana: Huh? Oh, I’m not a princess. I’m a waitress.
Naveen: A waitress? Well no wonder the kiss did not work! You lied to me!
いつもどおり、ネタバレになるので、いわゆる「名ゼリフ」はあえて外してます。
残りは是非実際の作品を見ていただければと思います。
まとめ 至極のストーリーを味わいながら楽しく英語学習を
いかがでしたでしょうか?
プリンセスと魔法のキスを映画として楽しむのもいいですし、英語学習のために何度も見るのもおすすめです。
おすすめの視聴方法はディズニーデラックス
作品のBlu-rayを買って何度も見るのも良いですが、ディズニーデラックスで見るのがオススメです。
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ディズニー作品見るなら、今はディズニーデラックス一択ってことだね。
ディズニー映画のクオリティでこのコスパの良さは異常。
英語字幕対応なのも英語学習に使いやすいんだよね。
ディズニーデラックスはこちらから入会できます。
ディズニー作品以外にも色々みたいという人は、U-NEXTが良いと思います。
ディズニーデラックスができてからは、ディズニー作品は他のVODサービスでは見にくくなっているけど、U-NEXTは比較的見やすい。
ただ、こちらは英語字幕がないのでその点は気をつけましょう。
こちらも最初の1ヶ月は無料です。
両方入ってみて、自分に合うほうだけ契約する、という方法も良いと思います。
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